「なあなあ」 「なに?」 「手、繋ごうよ」 「なぜ今なぜ此処なぜあたし!!!」 「いいじゃん」 「よくねえっつーの!あたしあんたの彼女でもなんでもないよねえ!!!?」 「いや、なんかさ、」 「なに!?」 「手、さみしい」 「いやいやいやいやいや!人のはなし聞いてた?」 「ん、」 「ん、じゃねえ!」 前々から変だとは思っていたけど 遂に行動に出たかこの男は、と思ったところで声に出すのは止めた。珍しく酷く悲しそうな顔をしていたから。嗚呼そんな顔をされたら 何も言い返せない、。されるがままに手を奪われて、ぎゅっと繋がれる。(コイツこんなに手大きかったんだ、) 「…おまえの手、あったかいな」 「 、心が冷たいからね」 「は、そーなの?」 「そうだよ」 「 おまえ は、」 「 ん 、」 「、やさしいよ」 「 え 、」 「冷たくなんか、 ねえ」 「 、。」 そんなか細い声を、その身体の何処から絞り出したのだろう。そんな顔をいつ覚えたの。 寂しいなら寂しいって言って良いんだよ。ぜんぶ飲み込んで耐えて笑って見せるより、辛い悲しい死んじゃいたい、そう言ってくれた方がずっと良い。 言葉にして言えることなんて何もない、何も知らないから。抱き締めることもない、友達だから。 だからあたしは 只ひたすらその冷たい手を握り返すだけだった、。 の した の なみだ 傷つきやすいコイツのこころは きっと あったかい、。 こんなにも冷たい手をしてるから 。(あたしとは正反対、 ) 20100910 |