「 うわ息白いな 」
「 寒・・・・・ なんで外で休憩なのよ 」
「 頭冷やさなきゃ 暖房効き過ぎてて眠ぃんだもん 」
「 あんただけだよ 」
「 まあまあ、 これがいいんじゃん 冬って感じで 」
「 にしても今年は多いね、雪 」
「 話聞こうよオイ ・・・雪だるま作る? 」
「 えーいいよ めんどくさい 」
「 おまえ 童心忘れたらつまんねえ大人になんぞ 」
「 あんたに言われたくないんだけど 」
「 ・・・・・・ 」
「 なに 」
「 何でもないです 」
「 ならいいよ 」
「 ・・・あのさ、 」 「 ん?」 「 さっきから言おうと思ってたんだけど 」 「 はい? 」 「 とりあえず、手 離そうか? 」 「 なんで!!? 」 「 うざい冷たい動きにくい 」 「 え、ちょ、 ひどくない??? 」 「 わたしの手の体温奪ってんだよさっきから離せ 」 「 もうちょっとだけ 」 「 あと三秒 」 「 短い! 」 「 うちら仮にも受験生でしょ 休憩はこのくらいで終わりだバカ 」 「 ・・・・・・ぐすん 」 「 なにそれかわいこぶっても気持ち悪いからやめて 」 「 ・・・・・・・・・・・・ 」 「 ほら、勉強戻るよ 」 「 ・・・、 」 「 いつまで拗ねてんのガキ 」 「 おまえってツンデレ? いや、でもツンだけでデレが皆無だよね 」 「 黙れ 」 「 ごめんなさい 」 「 手、 」 「 え? 」 「 教室、着くまで ね 」 「 ・・・あったかい 」 「 うん 」 「 早く受験終わらねえかな 」 「 だね 」 「 そしたらやりたいこといっぱいあるんだよなー 」 「 わたしも 」 「 あ、 おい おまえ東京だよな、受けるの 」 「 うん 」 「 だよなあ まあこんな田舎じゃ大学もねえし、 」 「 みんな都会出てくでしょ 」 「 いいとこなのになここ 何もなくたってさ 」 「 うん 嫌いじゃないよわたし 」 「 おれも 」 「 ほんと、 いいところなのに ね 」 「 なあ、 」 「 うん? 」 「 東京って雪降ったら大騒ぎなんだってよ 」 「 へー、 ここじゃ こんなにすごい勢いで降り積もるのにね、 」 「 わけてやりたいくらいだよな 」 「 あはは、 ねー 」 「 な 」 「 じゃあ 来年は 雪 見れないかもしれないなあ、 」 来年はきっと 別々の街で冬を過ごしてる。 ( 嗚呼 おれは、 見納めかもな と笑うことしかできないんだ ) 20091121 |