あたしはいつもいつもいつもいつも、あの背中に追いつきたかった。












だから今日は勇気を出して「すきです」と言うはずだった。 なのに、なんで、こんな。 片思いの相手が、誰かに告白するところに出くわす、なんて中学生か。 ベタな展開すぎてばかばかしいよ。 焦る心臓を押さえつけて、気付かれないように、そっと。 ただひたすら走った。 きみがほかの子にいう愛の言葉なんて聞きたくなんかない。 (そしてその子の「はい、」なんて返事はもっと聞きたくない。) しばらくしてゆっくり止まって、呼吸をそろえた。 穴が開いたみたいにからっぽで、涙も出ない。 神様は残酷すぎる。 あたしの気持ち、伝える前に敗北決定だなんて。(恨みでもあるの?) ほんと、ばかだなあ。 ぐしゃっと丸めて捨ててしまいたい、こんな感情は。 だけど出来ない。 こんな惨めな感情でもあたしのすべてだったから。 苦しくて切なくてだけど、いつもあたしを奮い立たせる、大切な大切な想いだったから。









嗚呼、今日こそは伝えたかったのに。





20091026