#061


きみは哀しいとき、
あの街を思い出すことがあるのかな


ぼくはあるよ


どうしようもなく過去を思い出す


きみと生きたあの街を
とてつもなく恋しく思うんだ











#062


春が来て
ぼくはまたひとつ年をとりました


あの街を出て
もう2年が経つのです


きみのあの姿が
ぼくの日常から消えて
もう2年が経つのです


もう酒も煙草も解禁だけど、
大人になったはずだけど、


あんなに幼かった昔が
ぼくは何より愛しいです


春になるたびに思い出すよ
春はぼくらが出会って別れた季節


きみのしあわせを、祈ってるよ











#063


きみを、いまも夢にみる




あれから月日がどれだけ経ったのかなんて
わかりきってるんだけど、それでも、


ぼくは
きみの姿を忘れても、
きみの顔を忘れても、
きみの声を忘れても、


きみが 存在していたこと を思い出す






もうぼくの乏しい記憶の箱の中では
かたちも音声もぼやけているから


だから
すべて幻だったと言われれば
納得できるのかもしれないなあ




それでも夢にみる


きみのこと











#064


きらきらしたものは
あのころを思い出させる


きらきらしたものは
きみを思い出させる




綺麗で
儚くて
握りつぶしたら一瞬で消えてしまいそうな
、ひかり


泣きそうになるよ
いつも











#065


大きな背中
屈託ない笑顔
いつも前を向くきみの強さ


何度も反芻しては
苦しくなる




最初から
ぼくのものでも何でもない


だけど
いつからかぼくの日常から消えたあのすべてが
戻らないあの日々が
哀しくて愛おしい糧だった




思い出す度
泣きたくなるのはどうしてだろう


きみはげんきですか、











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