#041


やさしいあの街を
いつも真っ直ぐな彼を
そんなものに囲まれていたぼくの人生を


もう過去の出来事にしなければならないなんて
思い出にしなくちゃいけないなんて
ただの絶望だった


ときどきあのときの気持ちがよみがえる






負けそうで
つぶれそうで
泣き潰れそうで


でもいまも
ぼくを救うのは彼


声を聞いたわけじゃない
姿を見たわけじゃない
なにもない、けれど


彼の存在がぼくを救う


こんなところで終ったらダメだって
思うの


不思議
ぼくが
いまも、あのころもだいすきな
あの唄のとおりなんだよ






瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほどつよく なれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい


(3月9日/レミオロメン)












#042


一年が過ぎて
もう少ししたら二年が過ぎる


そうやって時間が流れて
いつのまにか記憶は穴だらけになって
鮮明だったはずの風景は
まるでコンタクトをはずした瞬間の視界みたいに
輪郭を無くしてぼやけて見える


時がすべてを解決するはずがない


記憶の脆さに絶望して
脳の役立たずさに苛立って


時が経てば経つほど募る想いが
、あって


苦しくて






いつもぼくは思い出の中を生きている











#043


ぼくが
かれにできることは、
いのる ことだ
きっと、
それだけだ











#044


もうずっと星空を見ていない


あの街みたいに空も澄まない


織姫と彦星が逢うことを許された
一年に一度のロマンチックな日は
ぼくには到底似合わない






それでもどうか
届くなら


星に、願いを











#045


ほんとうはどうしようもない悲しみにのみこまれて
笑えない日々ばっかりで
棒読みの「元気だよ」を繰り返してた


ほんとうは泣き崩れそうだった
たった一本の擦り切れそうな細い糸が
ぼくを支えているだけだった
その糸の名前は、   。






ねえ
ぼくはさ、


馬鹿みたいに強さの意味も知らずに
強くなりたいと願った、ただの愚か者なんだよ











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